ねぶたができるまで


 
 

― 制作開始は冬の内から ―



1.題材と下絵

ねぶたの制作の仕事は、歴史的な物語や人物を題材にして構想を練り、それがまとまると鉛筆の下書きをして色づけをしていきます。冬の内から描かれる下絵はねぶたの設計図でもあるので、十分に時間をかけます。

 
2.細部の下ごしらえ

身体などの細部は冬から作り、小屋掛けが始まる寸前まで作業が進められます。大きさの割出しは、比例式で寸法を計算します。

 
 

― ねぶた小屋と搬入作業 ―



3.小屋がけ

ねぶたの制作場所・完成後の格納場所として、5月上旬頃観光物産館アスパム裏側にある青い海公園に間口・奥行き約12m、高さ約6~7mのねぶた小屋が建ち並びます。冬の間制作していた各パーツも小屋へ搬入し、いよいよ本格的に作り上げていきます。

 
 

― ねぶたのベース制作 ―



4.骨組み

角材で支柱を組み、針金や糸を使って事前に準備している細部を配置しながら、紙が貼れるように形を作っていきます。昭和30年頃までは、針金を使わずに竹で骨組みを作っていました。

 
5.電気配線(照明)

専門の配線工を使って、20w~100wの電球や蛍光灯を800~1000個ほど取り付けます。この時、完成時の色味を考慮して電球の種類を変えたり、中の支柱の影が出ないように配置していきます。昔はろうそくを使用していましたが、最近では従来の電球の他に、LEDを使用するねぶたもあります。電源は台車内に大型の発電機を設置します。

 
 

― 繊細な作業 ―



6.紙貼り

紙貼り専門の方々(主に女性)によって骨組みに和紙(奉書紙)を貼っていきます。のりとしてボンドを使用し、ひとマスごとにはみ出さないように貼り付けていきます。顔や曲面などの重要部位は経験豊かなベテランの作業となる。

 
 

― ねぶたに魂を吹き込む ―



7.書割(墨書き)

純白のねぶたに墨で顔や手足、衿、帯、着物等を書き分けていきます。迫力をかもし出す筆法で書かれる墨書きは、製作者の個性が大きく出る工程です。

 
8.ろう書き

着色の前に色の混濁を防ぐ為、ろう(パラフィン)を溶かして縁取り作業をする。ろうの部分は灯りを入れると光るので、ねぶたがより明るく見えます。

 
9.色付け(彩色)

残った白地に色を付けていきます。染料と水性顔料を使い、筆書き・スプレーで染色します。色彩のバランスも製作者それぞれの個性が強調されます。

 
 

― 最終段階 ―



10.台上げ・飾り(化粧)

高さ2mの車つきの台に40~50人がかりの人力でねぶたを上げます。全体的なバランスを確認し、台車に装飾を施して完成します。

 
 

制作に関わる人々は、全身全霊で“ねぶた”を作り上げていくのです。
協力 「マルハニチロ侫武多会」「青森魚類㈱」

 
 

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